
『絵本学講座4 絵本ワークショップ』
中川 素子/編
朝倉書店/刊
定価2,700円
こんな絵本の楽しみ方もある
ワークショップとは「仕事場」を意味する言葉だが、現在は知識や技術の一方的伝達でなく、集まった参加者自身が主体的に学んだり、自由に創造表現したりする〈体験活動プログラム〉を意味していると編者の中川素子氏は述べている。
絵本といえば、大人が子どもに読み聞かせるもの、または子ども自身で読むものというイメージだが、本書では、絵本を読んだ後に、言葉、文字、物語、造形、共同制作、五感、身体、メディア、地域交流を使って参加者が相互に影響を及ぼし、その交流から想像性や創造性を引き出そうとするものとして、多くの事例を写真満載で紹介している。
事例のーつ、「怪獣見つけたー」 では主人公が木に紙を置いて、えんぴつでこすりだし(フロッタージュ)をする。そうしてできた怪獣と遊ぶというお話の『ドングリトプスとマックロサウルス』(中川淳作・水声社)を読んで、参加者も様々な紙を使ってフロッタージュをし、集めた素材から自分なりの怪獣を作り、発表し合う活動例を紹介している。幼児だけでなく大人も夢中になって楽しめるものだということは、作業の様子や作品の写真からも充分感じられる。
また、コラムでは絵本作家の武田美穂氏が自作絵本の「ますだくんとまいごのみほちゃん』を使って行ったワークショップをイラスト入りで紹介しているのも楽しい。『ぎゅつ』 (ジェズ・オールバラ作・徳間書店)から、家族や友達、動物やお気に入りのものとハグをして写真を撮る活動は、皆の笑顔が素敵でまねしてみたくなった。
こんな絵本の楽しみ方があるのかと驚かされ、自分でも試してみたくなる本だ。
(評・千葉県袖ケ浦市立昭和小学校読書指導員 和田幸子)
(月刊MORGENarchives2014)
